京都に住んで十数年の坂本みきが京都の今を伝えます。観光ガイド本では知ることのできない〝リアル京都〟の紹介です!
(ライター・坂本みき)
第17回 京料理 藤本
5月に入り、京都の街は華やかな桜から淡いやわらかな新緑へ移り変わりました。
太陽の光を浴びて育つ若葉は、みずみずしく透明感に満ち、力強い生命力を感じます。
今回は、そんな新緑の香る初夏だからこそ味わえる料理を紹介していきます。
ビジネス街の路地裏にひっそりと店を構える「京料理 藤本」。
場所柄、地元客ばかりと思いきや、雑誌などに度々紹介されているせいか観光客も多いとか。
こちらの料理はおまかせコースのみで、昼は2900円、5000円。夜は5000円、7000円、1万円。
その中で、夜のおまかせコース(7000円)から。
まずは先付として、酒の肴が早々登場です。
蛸の柔らか煮とフルーツトマト、白魚の天ぷらと舞茸、ホタルイカ・オクラ・アマドコロの酢味噌和えといった内容。
アマドコロはあまり聞き慣れない山菜ですが、シャキシャキした歯応えで甘みのある珍しい山菜です。
もちろん、デパートやスーパーなどに並ぶことはほとんどなく、一生のうち出会うか出会わないか・・・(大げさかな。)
後々紹介しますが、「さすが、藤本さん!」と感心してしまう食材や料理に出会うことができます。
続いて、椀物が登場。
蓋を取るとふわっと鼻に抜けるだしの香り。
そして、堂々たる鱧の姿にただただ陶酔するのみです。
鱧の下にひっそり隠れる胡麻豆腐の演出も見逃せません。
次は、高級魚「のどぐろ」のあんかけ。
揚げてあるのにさらりとした脂は、口溶けも良く、甘みさえ感じられます。
のどぐろは刺身や塩焼きでも美味しいですが、揚げても美味。
本日のお造りは、シビマグロ、鯛、甘海老、タイラギ、イサキ、雲丹&剣先イカ。
重厚感溢れる皿に並んだその姿は、まるでひとつひとつ丁寧に作られた芸術品のよう。
その美味しさは食べなくても十分伝わってきます。
そして、まさに旬を迎える桜鱒が西京焼きに変身。
焼けた味噌の香りが食欲を刺激し、舌の肥えた人も唸らせるひと品。
ここはビールではなく日本酒でいきたいところです。
このコースで、一番驚かされた料理が「泉州水茄子とベビーリーフのサラダ」。
一見普通のサラダに見えますが、ベビーリーフをかき分けると・・・中には黒鮑がスタンバイ!
う~ん、料理長の遊び心に参りました。
あと、初めて食べた泉州水茄子にビックリ!
なんて、みずみずしい茄子なんでしょう。
しかも、果肉はやわらかくて生で味わえるなんて。
〆に蕗とお揚げのご飯でほっこり気分になったところで、デザートが登場。
デザートは6種類あり、好きなものを選びます。
今回は、ヨーグルトクリームのミルフィーユ風、ラムレーズンの最中、胡麻プリン、道明寺粉の苺ミルク饅頭、赤ワインのシャーベット、抹茶とレディグレイのシャーベット。
多種多様で、悩むのもまた楽しみの一つ。
1品だけ選ぶのも良し、全品選ぶのも良し、その時のお腹具合と相談していただきます。
ちなみに、私は全種類セレクトしました。
コースの内容を見てわかるように、こちらのお店は厳選した旬の魚を中心とした料理を提供しています。
美味い魚を使った京料理をいただくならこのお店と言っても過言ではありません。
