橋下大阪府知事がまた〝大暴れ〟だ。
関西国際空港(大阪、以下・関空)、伊丹空港(兵庫、以下・伊丹)、神戸空港(兵庫、以下・神戸)の3空港の存続・廃止について話し合われた、12日の「関西3空港懇談会」。橋下徹大阪府知事と、関係自治体の首長たちの激しいバトルが勃発した。
同懇談会は大阪府や兵庫県、伊丹市、経済団体などでつくる懇談会。今回は国へ提案する地元意見をまとめる重要な会合だった。そこでまた橋下知事が怪気炎を上げた。
橋下知事の持論は「関空を存続させるのが関西活性化にとって1番。伊丹、もしくは神戸空港は廃止すべき」というもの。そもそも関空建設は伊丹の廃港が前提条件だっただけに、説得力がある。しかし、この正論にガマンならないのが伊丹の周辺自治体の首長たち。とりわけ井戸敏三兵庫県知事の反発は激しい。
今回の懇談会でも井戸知事はじめ周辺首長らは、2020年の関西の航空需要の予想が08年の年間発着回数25万回を上回る27万回との予測を取り上げ、「伊丹も神戸も当面は存続すべきという意見でまとめよう」と主張した。大勢は「空港存廃は長期的な課題。当面は3空港が必要」でまとまりかかった。
ところがそれに「待った!」をかけたのが橋下知事。「『空港存廃』ではなく『伊丹、神戸空港存廃』とはっきり明記すべきだ。こんなことなら大阪府は合意しません!」と反対に回ったから大変。これに対して、井戸知事が「それなら私は降りる」「関空だって維持費にいくらかかっているのか」と猛反発、会議は紛糾した。
橋下、井戸両知事はまったく譲らず、ついに痺れを切らした下妻博・関西経済連合会会長が両知事に「じゃんけんで決めて」と言い出す始末だった。
会議は予定を1時間もオーバーし、反対意見を併記することでやっとこさ終了したが、橋下知事と井戸知事たちの溝は埋まらなかった。
「橋下知事の強硬論ぶりは相変わらずだが、関西という視点で見ればやはり3空港は多い。10年後には発着回数が27万回になるというのもどうだか分らない。むしろ需要予測はこれまで甘い見通しできて、ことごとく外れている。井戸知事は元々、自治省の官僚出身。運輸官僚ではないが、役人の考えが染み付いている人で、彼に〝関西〟という視点はないでしょう。一方、暴論も多い橋下知事だが、こと関西3空港問題については彼の意見の方が世間の感覚に近いはずです」(大手新聞の記者)
「伊丹10年存続」で意見はまとめられたが、逆に言えば、10年は何も変わらないということ。アジア諸国と競争していかなければならない時代にあって「10年」はあまりにもスピードが遅すぎる。それまでに関西が本格的に地盤沈下しなければいいが......。
