難しい知識はいっさい必要なし、読めば今の日本経済がまる分りのコラム。
(ライター・京橋次郎)
第2回 GDPって、ナンじゃいな? その②
寒さも和らぎ、ひと安心の京橋次郎です。寒いのダメ極度の寒がりなんです。寒いと気分まで暗くなります。買いものに出かけるのもイヤ、飲みに行くのもイヤになるんですよね~。客商売でも2月、8月ってオフシーズン(この季節の特有の商売は別にして)、いわゆる「ニッパチ」。やはり経済にも人の気分が大きくかかわってくるということですね。
さて、本題にはいりましょうか。
前回GDPを説明しました。GDPは日本語で書けば「国内総生産」といい、その国で一定期間に発生した商品(正しくは財貨)とサービスを全部合算したもの。詳しくいえば、原材料費などを引いたり、輸出額足したり、輸入額を引いたりしますが、それはややこしくなるからおいときましょう。
大事なのはGDPでその国の経済力が分かることです。
先週、日本の昨年のGDPが明らかになりそうだと書きました。前回ではまだ確定してなかったので2008年の数字でしたが、やっと確定しました。その数字、およそ5兆ドル(500兆円)で世界第2位。トップはアメリカで14兆ドル(1400兆円)で、第3位は進境著しい中国で4,9兆ドル(490兆円)という結果に。
日本と中国の差はわずか10兆円。10兆円は庶民にしては途方もない数字ですが、もう抜かれるのは時間の問題です。
それでも日本はまだ世界第3位。「経済」的には堂々たる先進国です。
しかし、みなさん(ここでは日本で賃金を得て生活している人たちのことです)の実感はどうでしょう。何年も続くデフレで(デフレとは簡単にいえば物価が下がり続けることですが、もう少しちゃんと書くと、需要に対して供給が多く多くなって一般物価が低下することです)、賃金が上がらず「しんどい」状態ですね。
多くの人が「不況だ、不景気だ」って嘆いています。ところが、先々週のGDPの発表報道で「えっ?」って思った人は多かったのでは。というのも新聞などの一面にはこんな見出しが出ていました「2009年GDPプラス成長」。なんだかおかしいでしょ。みんなデフレで不景気だって言っているのに「プラス成長」だなんて。
次の章でこの説明をしましょう。
GDPの正体
実はGDPには2種類あります。名目GDPと実質GDPです。前の「名目」は「めいもく」と読みます。
「2つあるなんてややこしいやんけ!」と怒らないでくださいよ(実際これがややこしくしていることは間違いありませんが)。
2つの違いは物価が反映されているかどうかです。
たとえば400円のコーヒーが1日50杯売れる喫茶店(A店としましょう)があるとします。ところが次の日から競争店(B店とします)が近くできて、そこは300円で売っています。
「えらいこっちゃ!」とA店は対抗するため250円と大幅に値段を下げました。すると新しいお客も増えて1日70杯売れるようになりました。めでたし、めでたし......でしょうか?
B店ができる前と後で、A店を比べましょう。
まず杯数は50杯→70杯と大幅に成長させました。これだけ見ると大成功(生産量が増えたのです)。
次に売上はどうか。
400円×50杯=2万円、これが値下げをして、250円×70杯=1万7500円になりました。売上は結果的に減ってしましいました。
コ―ヒーの杯数と売上。
実はこの2種類の比べ方が名目と実質です。どちらが名目か実質か分かりますか? 「売上が減ったから、〈値段×杯数〉の方が実質やろ」ですか? 答えはバツです。50杯→70杯の方、つまり〈生産量〉が実質(GDP)で、〈値段×杯数〉の方が名目(GDP)なのです。
なんだかフに落ちないですか? 違和感あります? しかし経済の教科書では、今の私の説明通りで間違いありません。
が、多くの人からみると「フに落ちない」っていう感覚。実はその感覚がとても大事なんです。値段を下げてでも売ろうとうする商売はまさに、今の日本そのものです。名目の方が実際の景気感にピッタリきますよね。
ですが、政府などが経済成長の指針とするのは実質の方なのです。今回発表されたGDPの報道見出し「プラス成長」も実は実質GDPの方なのです。
なぜこんな実感の伴わない実質GDPが指針となっているのか。今回は長くなりましたので次回にします。あんまり詰め込みすぎると、イヤになっちゃいますからね。
今回は景気を実態を表しているのは名目GDPということを覚えておいてください。ではまた。
(次回続く)
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