ヒマだ。映画でも観るか。でもいったいなにを観よう。絶対失敗はできんぞ。そんなときはこのコーナーにアクセスしてください。なんにもやることがない夜のおとも。ちょっと奇妙な映画紹介コーナーです!
(ライター・堀田純司)
第14回 ゾンビ映画クロニクル その4
リメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』も感染力は強力で......、というかよく知られたことだが、この映画のゾンビは全速で疾走してくる。ウイルスの感染力以前に、媒介であるゾンビの体力が強烈なのだ。
Wikipediaをのぞくとロメロはこの設定にあまり感心していないと書いてあるが、これはこれでゾンビの持つ、人為ではとても対抗できない自然災害のような圧倒的な暴波、といった雰囲気があってゾンビ映画らしかった。その意図は衝撃のラストにも感じられる。
もっともゾンビには「慎重に対応すればかなり防げるのだが、少しのミスや偶然で歯車が狂うと、わらわらとよってくるゾンビの餌食になってしまう怖さ」という、ロメロが確立した映画のメソッドがあって、この設定だとその面白さは出せない。ロメロ本人が不本意なのもわかる気もする。
『バイオハザード』のゾンビは、もともとが原作『ゾンビ』にインスパイアされたゲーム作品だけに、その立ち居振る舞いは、実に伝統的なロメロゾンビである。
ただ面白いのはその感染度合で、本作のゾンビは多国籍企業のアンブレラ社が開発した生物兵器がその起源。Tウイルスというウイルスの感染者である。
研究所で開発されたものだけに、その性質もある程度は解析されており、ゾンビに噛まれても、間に合えば対抗薬によって回復が可能。しかし逆に、思わぬ変異を遂げてとんでもないモンスターになることもある。
これは「噛まれてもまだ間に合う」という、ゾンビ映画の根本をゆるがしかねない設定だったが(まっ、ゲームの場合、ひと噛みでゲームオーバーとも行かず)、これはかえって「間に合うかもしれない。ああ、間に合った、いや、間に合わなかった」と、ゾンビ映画の持つ"感染ドラマ"を深めることにもつながった。この作品もパート2が2004年、3が2007年に公開されたが、特にひとつの中規模都市がまるごと封鎖される2の舞台設定は、燃えるものがある。
(次回2月8日)
