やりたいことがあり、自分の人生を切り拓いていく強い意志さえあれば誰もが起業できます。そのうえ人脈があれば鬼に金棒です。さあ勇気と知恵をもってベンチャーの世界に飛び込んでみましょう!
(経営コンサルタント・牧野晃)
圧倒的なライバル出現
前回は「こんな時代だからこそ起業するのにいいのだ」と書きました。今回は私が居た証券業界の話をしながら、どこにビジネスチャンスがあるか説明しましょう。
私がいた当時の証券業界は免許制の時代でした。横並びで、どこの証券会社に株の注文を出しても手数料は同じ、セールスマンの意見を聞いて売買をやっても儲かるか損をするかわからない状況でした(スポーツの世界で9勝1敗は優勝、しかし株の世界は9勝1敗でも大損のケースが多いのです)。
証券会社としては売買を多くしていただく方が儲かるため、少しでも利益が出ると、次から次へと乗り換えを勧めました。損失が出ると顧客とは距離ができてしまい、ほったらかしでした。
投資家たちは、このような証券会社のビジネスモデルに気づき始めました。そこへネットの時代が到来し、ついにセールスマンに頼らないネット取引ができるようになったのです。
ネット取引はすべてのジャッジを自分で決めるので、「損をした」ということはあっても、「させられた」という感情は抱きません。加えて手数料は格安です。
このような取引形態が出てくると対面型取引で高い手数料を取る証券会社ではとうてい太刀打ちできません。
しかし真剣に対策を考えないと存続さえ危ぶまれるのに当時の経営者は横並び意識から抜け切らず、抜本的な対策を打ち出せませんでした。
打ち出せない事を棚に上げ、「ネット取引に一旦顧客は逃げても対面型の良さを知っている顧客はいずれ戻ってくる」という、まるで自分に言い聞かせるように本質から逃げていたのです!
このとき僕は、当時の経営者が「手数料とサービスはリンクする(確かに手数料はサービスの対価には違いない)」と勘違いをしている、と感じていました。
彼らの言い分は手数料の安いネット取引はサービスがない、自分達の対面型証券は手数料が高いがサービスが良いと思い込んでいたのです。
でも現実は違う! ネット取引も安かろう、サービス悪かろうでは成長しない。現にネット業者は利便性の向上に努め、サービス向上のために対面型取引の良さも取り入れようとしました。
反面、対面型証券は自分たちがサービスだと思っていることが顧客に理解してない事に気づかず、何も抜本的対策を打ち出せずにいた結果が、今のネット取引全盛につながったのです。
自分の姿が見えず、さらに相手を過少評価する。対面型の証券業界が犯した過ちです。逆に考えれば、そんなぬるま湯の業界にはつけこむ隙があり、それを見つけることこそが起業のための発想といえます。
起業のポイント③ 「己と敵を知る」
- ライバルが出現すれば相手の長所短所、自分の長所短所を客観的に見て判断する
- 社会情勢を客観的に見極め、次の戦略を考える
- 何もしないで発生するリスクと、何かをやって生まれるリタンを客観的に判断する
